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月別アーカイブ: 2025年9月

第12回安心をつくるセキュリティ工事講座

皆さんこんにちは!

株式会社橋本電工、更新担当の中西です。

 

~やりがい~

 

いま防犯カメラは、単なる録画装置ではありません。検知→通知→検索→証跡→改善までをつなぐ“運用の仕組み”。
工事会社の価値も「配線できる」から一歩進み、ネットワーク・データ・サイバー・運用設計へと広がっています。ここでは、発注側のリアルなニーズと、現場で感じるやりがいを実務目線で整理します。


1|まず押さえる現在の価値軸 🧭

  • 安全性:抑止・早期発見・証跡保全(事件/事故/コンプラ)。

  • 運用性:誤検知抑制・検索1分・遠隔での一次対応。

  • 可用性:録画欠損ゼロ、停電/機器故障への冗長化。

  • サイバー/プライバシー:初期設定の強化、マスキング、ログ管理。

  • LCC:機器+工事+通信+保守の総額最適化。


2|発注者別“リアルなニーズ” 📌

施設管理(オフィス・商業・病院)

  • 高解像×WDRで人物/車両の識別、保存30〜90日

  • 多拠点の一元管理、障害の遠隔ヘルス監視

  • プライバシー対応(録画範囲・標識・マスク)。

リテール・飲食

  • 万引・不正の抑止、レジ周りのエビデンス性

  • アラートの実効性(誰に、どう通知、いつ対応)。

  • 設置の美観夜間のフルカラー/IR

工場・物流

  • 入退ゲート×車番(LPR)、ライン停止の原因追跡

  • 屋外耐環境(塩害・粉塵・温度)、落雷/サージ対策

  • **ネットワーク分離(VLAN/ACL)**と監査証跡。

住宅・マンション・自治体

  • 生活導線の死角解消、共有部の長期保存

  • 近隣配慮(プライバシー・騒音・景観)。

  • VSaaS/クラウドでの省人運用。


3|技術的ニーズ(“ちゃんと映る”を超えて)🧪

  • 画角・画質:目的別にpx/mを定義(人物識別150〜250px/m目安)。

  • 照明・逆光:WDR、IRの反射チェック、低照度“フルカラー”。

  • 電源/通信:PoE余力30%、802.3at/bt、UPS/冗長電源

  • 録画:H.265/スマートコーデック、動体時高画質、保存日数の台帳化。

  • AI/検知:侵入・徘徊・人数・LPR、誤検知率を設計で下げる

  • サイバー:初期PW変更・不要ポート閉鎖・時刻同期・FW更新計画


4|“強い工事会社”の提供価値(差別化ポイント)🧩

  1. 現調の精度:FOV・照度・死角・配管ルートを写真/図面で可視化

  2. 配線・防水の美しさ:端末処理・結露/浸水対策・屋外等級(IP/IK)。

  3. ネットワーク設計:VLAN/PoE/帯域/保存の根拠ある計算

  4. 初期設定のセキュリティ:アカウント/ログ/ポリシーを運用台本に落とす。

  5. 遠隔保守:ヘルス監視・アラート運用・月次レポートの標準化。

  6. LCC提案:同軸再利用 or IP化、クラウド/オンプレ比較、費用対効果を数値で提示。


5|“やりがい”はどこにある?(役割別)✨

  • 設計/プリセールス:1台で二役を担う画角の当て込み、既存資産を活かす最適解を描けた瞬間。

  • 施工:高所・狭所を安全にこなし、雨風の後もトラブルゼロで動き続ける納まりの達成感。

  • ネットワーク/設定:誤検知が激減し、検索1分で映像が出る設計が現場に効く手応え。

  • 保守:障害前に兆候を拾い止めない運用を実現、安心の声が直接返ってくる喜び。

  • PM/営業価格以外で選ばれる提案をつくり、再発注・紹介につながる誇り。


6|“今日から”使えるチェックリスト ✅

ヒアリング(要件)

  • 目的(抑止/検知/証跡/業務改善)・対象(人物/車番/人数)。

  • 保存日数・検索頻度・誰が見るか・通知先と時間帯

  • 既存配線(同軸/UTP/光)、電源、雷・塩害・粉塵リスク。

  • プライバシー範囲・標識・モザイク方針、クラウド可否

配置/設計

  • 目的別px/m、逆光・IR反射の事前テスト。

  • PoE余裕・VLAN/ACL・帯域/保存計算・UPS/冗長

  • 架台強度・防水シール・ドレン・結露対策。

運用/引渡し

  • 初期設定手順書(PW/ログ/時刻/更新)・役割別権限

  • アラートのエスカレーション表、月次レポート項目。

  • 写真台帳・配置図・配線系統・復旧手順・SLA


7|“提案が通る”3プラン(Good/Better/Best)💡

  • Good(基本):4MP固定+NVR、H.265、保存30日、最低限の遠隔閲覧

  • Better(運用DX):エッジAI(侵入/人数/徘徊)、VLAN/PoE冗長、遠隔ヘルス監視、週次レポート

  • Best(多拠点/高信頼):マルチセンサー+PTZ、クラウド管理(VSaaS)、LPR/混雑分析、サイバー運用基準とSLA込み。
    → 各プランに検知率/誤検知率・検索時間・LCCの期待値を添えると意思決定が速い。


8|KPIで“価値”と“やりがい”を可視化 📊

  • 可用性:録画欠損率、機器稼働率、通知到達率。

  • 検知品質:検知率・誤検知率・一次対応までの平均時間。

  • 運用:検索所要時間、月次レポート提出率、復旧リードタイム。

  • 経済:LCC、通信/保守費、電力原単位(kWh/台)。

  • 安全/コンプラ:初期設定遵守率、パッチ適用率、プライバシー監査適合。


9|よくある“つまずき”と回避策 🧯

  • PoE容量不足 → 余裕30%で設計、発熱・距離も考慮。

  • IR白飛び・反射 → 角度・照明再配置、低照度フルカラー検討。

  • 保存不足 → H.265/スマート録画+日数と解像度の再配分。

  • サイバー弱設定 → 初期PW変更・不要ポート閉鎖・ログ保存・時刻同期。

  • 浸水/結露 → グランドリング・パッキン・ドレン・ケーブルグランドの適正施工。

  • プライバシー不備 → マスキング・標識・運用台本を先に合意。


10|ニーズは“選ばれる理由”、やりがいは“続ける力” 🌟

録る→活かす→守りながら拡張できる設計・施工・運用が、発注者のニーズ。
それをデータと再現性で満たすほど、現場には**「止めずに、役立つ映像を出し切った」**という手応えが積み上がります。
防犯カメラ・セキュリティ工事は、電気×ネットワーク×運用DXで“安心”を形にする仕事です。

 

 

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第11回安心をつくるセキュリティ工事講座

皆さんこんにちは!

株式会社橋本電工、更新担当の中西です。

 

~変遷~

 

防犯カメラは「映す」装置から、“気づく・知らせる・役立てる”運用の仕組みへ。
工事会社の仕事も、配線・架台だけでなくネットワーク・データ・サイバーまで広がりました。
ここでは、現場目線で技術・ニーズ・工事の勘所の変遷をまとめます。


1|〜1990s:アナログCCTVの時代(抑止と記録)

  • 同軸+VTR/タイムラプス、マトリクス切替で監視室に表示。

  • 目的は抑止と事後検証。設計は視野角・焦点距離・照度が中心。

  • 工事の勘所:同軸端末処理、電源分離、ハウジング・ブラケットの耐候・防錆

2|2000s:DVRでデジタル化(検索性が価値に)

  • DVR+H.264で長時間録画・日付検索が容易に。

  • メガピクセルの登場、遠隔モニタ(PC/携帯)普及。

  • 工事の勘所:同軸を活かしてDVRに更新、外部接点で警報連携。

3|2010s:IPカメラ&NVR/VMS(高解像度・PoE・標準化)

  • **PoE(802.3af/at)**で配線がシンプルに。4MP〜4K、WDR・IRで逆光/夜間に強く。

  • ONVIFでメーカー混在が容易、VMSで多拠点統合。

  • **アナログHD(AHD/TVI/CVI)**も台頭し、既存同軸を活かした高解像度化が進む。

  • 工事の勘所:Cat5e/6&光、スイッチ選定、帯域・保存日数の計算(H.264/H.265)。

4|2020s:AI・クラウド・ゼロトラスト(“気づき”で運用を変える)

  • エッジAI解析(人物/車両検知、侵入・徘徊、置き去り、混雑、LPR/ALPR)。

  • クラウド管理・VSaaS:現地はエッジ録画+クラウド設定/ヘルス監視が主流に。

  • サイバー・プライバシー:強固な初期設定、証跡、プライバシーマスキング・録画範囲の合意

  • 省エネ・小型化:低照度“フルカラー”、サーマル/レーダーとのセンサー融合

  • 工事の勘所:VLAN/PoE+(802.3bt)/冗長電源、遠隔保守、ファーム運用。


5|ニーズの変化:録る→活かす→守りながら拡張する

時代 主目的 ニーズの要点
アナログ 記録・抑止 低コスト・長時間録画・見通し設置
DVR期 検索性 事件時の時刻・場所特定、保存日数
IP/VMS期 可視化・多拠点 高解像度・PoE・統合監視、アラート連携
AI/クラウド期 “気づき”と運用DX 誤検知抑制レポートリモート保守サイバー&プライバシー適合

いまは「検知品質×運用のしやすさ×守れる設計」が選定軸。


6|工事会社の役割は“電気×ネットワーク×セキュリティ”

  • 現調:FOV/ピクセル密度(px/m)、照度、逆光・IR反射、死角。

  • 設計:PoE予備、VLAN、保存計画(H.265/ビットレート×日数)、ライザ・架設の強度。

  • 施工:端末処理・接地・サージ・パッキン・結露対策、屋外等級(IP66/IK10)

  • 初期設定:強制パスワード変更、時刻同期、更新計画、プライバシーマスク

  • 保守:SLA、遠隔ヘルスチェック、ファーム配信、年次清掃・再調整。


7|“やりがい”はどこにある?(役割別)✨

  • 設計1台で2役の画角や、AIの検知範囲がピタリとハマった時の快感。

  • 施工:高所・狭所でケーブル取り回しが美しく納まり、雨風の後も安定稼働する手応え。

  • ネットワーク/設定:アラートが誤検知少なく正しく届く、検索1分で映像が出る設計の達成感。

  • 保守:障害前に異常を拾い止めない運用を実現、顧客からの「安心できた」の言葉。

  • 営業/PM:**LCC(機器+保守+通信)**で納得をつくり、価格以外で選ばれる提案の醍醐味。


8|“今日から”現場で役立つチェック ✅

設計前ヒアリング

  • 何を検知/記録したい?(人物識別・車番・人数・侵入)

  • 保存日数・検索頻度、夜間照明の有無、プライバシー配慮範囲

  • 既存配線(同軸/UTP/光)と再利用可否、上位システムとの連携

配置・仕様

  • カメラごとのpx/m目標(人物識別なら≥150〜250px/m目安)

  • 逆光/WDR、IRの反射物(白壁・看板)チェック

  • PoE電源余裕30%、スイッチ冗長、落雷・サージ対策

録画・ネットワーク

  • H.265/可変ビットレート、動体時高画質、スマートコーデック

  • VLAN/ACL、装置の初期パス変更・不要ポート閉鎖

  • 通知運用(誰に・いつ・どうやって)とエスカレーション


9|“提案が通る”3プラン(Good/Better/Best)

  • Good(基本):4MP固定+NVR、H.265、保存14–30日、最低限のリモート閲覧。

  • Better(運用DX):エッジAI(侵入/徘徊/人数)、PoE冗長・VLAN遠隔ヘルス監視、運用レポート。

  • Best(多拠点・高信頼):マルチセンサー+PTZ、クラウド管理、LPR/混雑分析、サイバー運用基準とSLA付き。
    → それぞれ検知率・誤検知率・検索時間・LCCの期待値を添えると比較しやすい。


10|KPIで“品質”を可視化 📊

  • 可用性:録画欠損率、機器稼働率、通知到達率

  • 検知:検知率・誤検知率、一次対応までの平均時間

  • 運用:検索に要する平均時間、月次レポート提出率

  • 経済:LCC、通信・保守費、電力原単位(kWh/台)


11|これからの10年:融合・匿名化・持続可能性

  1. センサー融合:カメラ×レーダー/サーマル/音響で天候・夜間でも安定検知

  2. プライバシー保護オンデバイス匿名化・自動マスキング・最小保存主義。

  3. ゼロタッチ運用:クラウドで一括設定・一括更新、AIで障害予兆

  4. グリーンIT:省電力SoC、録画のイベント最適化、機器の長寿命化。

  5. 標準とセキュアサプライ:相互接続と供給リスク対策の両立。


映像“装置”から運用“仕組み”へ

同軸→IP→AI/クラウドの進化で、価値は**“録る”から“活かす”**へ。
工事会社は、電気×ネットワーク×セキュリティの総合力で
**「見たいものが、必要なときに、迷わず出てくる」**環境を再現する。
その再現性こそが、選ばれる理由であり、やりがいの源泉です。🔒✨

 

 

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